『モーツアルトの陰謀』 スコット・マリアーニ著／高野由美訳

『モーツアルトの陰謀』というタイトルに釣られて借りて来たら、アクション映画のシナリオを読むようなハードボイルドものだった。

　でも、読み出したら止まらない。帰りの電車の中でも読みつづけ、主人公が捕まって両手足を縛られ、チェーンソーが迫って来るところ（笑）で駅に着いてしまった。残りは寝床で……。

　めちゃくちゃベタな展開なんだけど、読んでしまうんだよなぁ。

　ちなみになぜモーツアルトなのかというと、フリーメイソンと連携して各国で革命機運がひろがることに強い不安を抱いたオーストリアの権力者たちが、フリーメイソンの中で人気を集めシンボル的な存在になりつつあったモーツアルトを、秘密警察を使って毒殺したという設定。
　それがなぜ現代にまでつながるかは、本書を読んでのお楽しみ。分量は500ページです。