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単純で分かりやすい楽器だ。伸びれば音が下がり、縮めば音が上がる。
これを連続してやると間の抜けた面白い音になるので、音楽教室などで子供たちによくアンコールをせがまれるが、最初は笑顔で応じていたトロンボーン吹きたちも、何度もせがまれると、だんだんイヤな顔をする。あまりに原始的な楽器であることに、自分たちもアホらしくなってくるのだ。 トロンボーンはスライドを伸ばす距離で音程をとる楽器なので、五線の音程をスライドの動きに変えてヴァーチャルに見せてくれる面白い楽器でもある。 似たように、視覚的に分かりやすく音程を距離でとる楽器が他にある。弦楽器である。弦楽器の指はトロンボーンのポジション(開放の音からの距離)に当たる。 と言っても、五線のドからレへの、わずか数ミリの距離が、弦楽器では指1本動かせば済むのに対し、トロンボーンでは片腕を一杯に伸ばさないと届かない距離になってしまう。しかもその距離を、他の楽器と同じ時間単位で動かさなければいけないから大変だ。 曲がアレグロの16分音符だったりすると、トロンボーン奏者の右腕はボクシングの世界チャンピオンが繰り出す右ストレート並みの加速度で動くことになる。それで見事、前にいるファゴット奏者に命中しても、誰も誉めてはくれないのだから、いかに報われない努力を彼らが強いられているかがよく分かる。
by hornpipe
| 2007-06-16 11:49
| 管楽器「害」論
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