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ウィーンフィル首席フルート奏者ディーター・フルーリーのコンサートを聴いた(2月12日)。北鎌倉にある古刹・建長寺の真新しい集会所が会場で、地元の人が大半と思われる約60人ほどを前に、前半をドイツもの、後半はフランスものを中心に9曲を演奏した。
フルーリーの経歴はちょっと変わっている。アンドレ・ジョネにフルートを師事しながら、チューリヒ工科大学で数学を学んだ。代数学が専門というが、理論物理にも興味をもち、音楽を数学理論で表す研究も続けているという。 「例えば」と言って教えてくれたのが、音律における3度音程のことだった。純正律、平均律、ピタゴラスの音律などではそれぞれに出て来る値が異なる。これは「美しくない」と氏は言う。しかしその先の話は「簡単に説明するのはちょっと難しいので……」と、笑いながら話題を変えてしまった。 同団のもう一人の首席シュルツとは正反対とも言えるスタイルの持ち主で、コンサートでもそれを改めて実感した。良い意味で模範的な演奏をする人で、ヴィブラートもかなり抑え気味。シューベルトの「萎める花」では音色を様々に使い分け、ときに語りかけるように吹く。心に残る演奏だった。 最後のカルメン幻想曲のお終いに近く、フラッターで素早くズリ落ちてくるパッセージ(そう聞こえた)で、客席から嘆声が漏れ、そのパートのエンディングで思わず拍手が起こった。彼の名技に対して思わず出た反応で、年配の夫婦連れが多かったが演奏を本当に楽しんでいることが分かる。スピーチでの英語のジョークにもドッと笑いが起こるなど、さすが鎌倉の住人と言うべきか。
by hornpipe
| 2006-02-14 22:02
| 音楽一般
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