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昨日あったクラリネットのマスタークラスで気づいたこと。
曲はウェーバーのクラリネット協奏曲第2番(第1楽章)。 受講した方の演奏を聴きながら、「リズムの取り方や拍節感がとても日本人的に聞こえるのは何故だろう?」と思いつつ、次の箇所に来て、その理由が分かった。 譜例の2小節目以降、低音から上がる分散和音が、8分休符をはさんで3回くり返す。この8分休符の感じ方である……。 この方の場合、きっとこの休符を、日本の伝統音楽的な「間(ま)」のように演奏しているのではないだろうか? ちょっと歌ってみる。 ン・ファミファラドファラーーー・ン・ラソラドファラドーーー・ン・……… 「ン」で一瞬息を止める人が多いだろうが、息を止めるときに「息を飲む」ように止め、無音の静止状態から次のタイミングを狙うような休符の取り方、これが日本的な「間」の取り方だ。 前後に発せられた(発せられる)音とのあいだに、ピーンと張りつめたような緊張感を伴う。それは静止した音楽の美である。 しかし西洋音楽、とくにクラシック音楽では、音楽にこうした「静止」を伴うことはまずないと思われる。もしこうした休符に静止するような意味があったとしても、前後の音は同一平面上にはなく(ダイナミックスは同一であることが多いが)、次のリズムを生みだすスプリングボードのような役割を持つのではないだろうか。 この受講者の場合、同じことが付点のリズムや、レガートでつながるフレーズの演奏にも伺えた。つまり、付点のリズムもレガートのフレーズも、すべての音が同一平面上で、ある種の緊張感を保ちながら演奏されるのだ。 これは正に、尺八の世界でいう「密息」(みっそく)による演奏である。 ※密息:骨盤を倒し、息を吸うときも吐くときも、お腹を出しっぱなしにして呼吸する日本の伝統的な呼吸法。とても静的な呼吸法で、間合いを見計らいながら一瞬のタイミングを捉えることが出来る。
by hornpipe
| 2011-01-25 19:11
| 音楽一般
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