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訳あってモーツアルトのクラリネット・コンチェルトを遊びで吹くことになり、参考のためにと暫くぶりに手持ちのCDを聴き比べてみた。
一枚は、チャールズ・ナイディックがオルフェウス室内管と入れた1987年の録音。 もう一枚はロバート・マルセラスの演奏で、セル指揮のクリーブランド管と入れた録音(LPからダビング)。 驚くべきはナイディックの演奏。 この時代にすでにバセットクラリネットを使っているだけでなく、バセット音域をこれほど掌中に収めた演奏は、今でも少ない。 随所に即興的なフレーズを交えてモーツアルトの躍動するリズムを伝える一方で、柔らかい音色の明暗を使いこなし、短調・長調の微妙な移ろい(フレーズの優しさと哀しみ)までをも表現する。改めてこの曲の記念碑的な録音だと思った。 もう一枚。名盤の誉れ高いマルセラス盤だが、ソロの開始早々思ったのは、「え? これほどつまらない演奏だっけ?」。ナイディックの後に聴いたのがいけなかったかナ? まるでエクササイズをこなすかの如き演奏で、はたして横で振っていたセル御大は何と聴きながら合わせていただろうか? と言っても、バックのオケの8分音符の刻みなど、こちらも負けず劣らずエクササイズのように機械的なんだけれど(リズムの躍動感がまるでない)。 こうした演奏を聴くと、その昔ハンスリックが言ったという言葉をどうしても思い出してしまう。 「ソロなどという間違った場所にいないで、管楽器はオーケストラに自分たちの居場所を決めるべきだ」 ※追伸:コメントでご指摘を頂いた通り、マルセラス盤の録音年を誤って記してしまい、その部分を削除しました。
by hornpipe
| 2010-04-12 23:17
| クラリネット
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