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リチャード・ストルツマンにお会いした。
あの独特の風貌に刻まれた皺は、さすがに前よりも深くなった印象を受ける。 とっても穏やかな人である。一語一語、ときおり天を仰ぎながら、噛み締めるようにゆっくりと話す。そしてその話には、こっちが恐縮するぐらい謙虚な言葉が混じる。 20年ほど前にお会いしたときもそうだった。 「リョウヘイ・ナカガワ(中川良平氏)の連絡先を知っているなら教えて欲しい。僕はそのむかし、彼にとってもお世話になったんだ」 当時、世界で一番有名なクラリネット奏者だったにもかかわらず(今でもそうだが)、自分の駆け出しの頃の「先輩」の名を律儀に口にした。 父親はジャズサックス奏者で教会聖歌隊のテナー、母親は聖歌隊のソプラノで、「クラリネットでやっと音階が吹けるようになったとき、両親にまじって合唱の内声部を吹いたのが最初」だったという。氏の「歌うクラリネット」の原点はここにあった。 スタイルとしてはデビュー当初から極めてユニークで、クラシックのクラリネット界には露骨にそのスタイルを嫌う人もいるが、しかしアメリカにはそうした異質なものを受け入れる土壌がある。 と言うより、ストルツマンをこれほど有名にした世界の聴衆にとっては、「歌わないクラリネット」の方が異質に聞こえるのかも知れない。
by hornpipe
| 2008-04-01 22:50
| クラリネット
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