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モーツアルトのクラ5では、灯台下暗し! わが赤坂達三サンが、並みいる海外盤に伍して、レベルの高い個性的な演奏を繰りひろげている。元ウィーンフィルコンマス、ダニエル・ゲーデ&仲間たちとの共演で、2000年の録音、2002年の発売(4年間も知らずにいたのは不覚だった)。
何が面白いと言って、いわゆるピリオド奏法を柱に据えながら、柔らかく繊細なモダンのトーンで吹き分ける、というのがユニーク。「ポストモダン」のテンプレート的な演奏がここにはある、と言ったら言い過ぎかな? い音(非和声音)を強調し、解決音は弱く優雅にまとめ、すべてのトリルを上からかける(ここは議論が分かれるかも知れない)。フレージングは分節的で、半音階をやや強調したりもする。弦楽器は第1ヴァイオリン以外はノンヴィブラートを多用し、内声の繋留音をやや強調するのも効果的(もちろんノンヴィブラートで)。そして、例の第3楽章トリオのテンポをこれほど効果的に変えている演奏も珍しい(トリオを遅く演奏し、クラの第2トリオなどちょっぴりウィンナワルツ風!)。 クラリネットソロは、弦楽器に対して相対的に音量は抑制気味(ちょっと抑えすぎかも?) 。心なしか普段の赤坂さんの音よりも「素朴」に聞こえ、フォルテで吹いたときに音が割れ気味になったりするのは、ツゲ材の古典クラを模したか? あるいはヤマハSE-Vの容量オーバーか?(もち、冗談です) 基本テクニックは、間違いなく日本人でズ抜けてある人だけに、技術的余裕が聴く人に120%の安心感を与えるのも良い。第2楽章のブレスコントロールなど、余裕綽々だ。全体を通して弦楽器とのアンサンブルも齟齬がなく、とっても練れたアルバムに思える。 わが「貴公子」は、大方がイメージしているよりもしたたかなのだ。
by hornpipe
| 2007-01-19 23:44
| クラリネット
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