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セルマーの新製品、プレザンスを吹かせてもらえることになり、渋谷の某店にお邪魔した。
開店2分前にお店に行くと、外国人二人の先客がドアが開くのを待っていて、一人はクラリネットのダブルケースを持っている。どこぞのオケの人たちらしい。 試奏用に用意されていた大きな部屋で、異例の応対に「?」マークいっぱいで試し吹きしていたら、例の外人二人がお店のスタッフの案内で入って来た。何のことはない、彼らのために用意された試奏室に、(ついでに)私も一緒に通されたのだった。 聞けば、一人は来日中のローマ歌劇場の首席の人で、セルマーのシグネチャーを試奏しに来たのだという。 そして、いきなり試奏を始めたその音が、ハンパじゃなかった! 呆気にとられて聴き惚れていたら、「○○さん、構わずに吹いていいですよ、どうぞ、どうぞ」とスタッフの方が気を遣ってくれる。 いいですよって言われても、こんな凄い音が、ものの数メートル横で鳴っている中で自分の音を出せる心臓は持ち合せていない。 ……と考えて、ふと、これは「世界の音」と自分の音を聴き比べるいい機会かも知れないと思いなおし、恐る恐る楽器に口をつけて息を吹きこんでみると…… (自分) プープー、ペーペー、キャッ! ザジズゼゾ…… (横で) パラパラ、パコパコ、パッカーーン!! おー、恥ずかしい! もう嫌だッ! すると外人さん、「僕が使ってる楽器、吹いてみる?」と突然声をかけてきた。セルマー・レシタルである。 「ノーノー! アイアムバッドクラリネッティスト、ユーノウ」 「イッツOK、トライ!」 「○○さん、吹かせてもらえば、せっかくなんだし」 そう? まぁ、こういうシトたちがどんな楽器で吹いてるのか興味なくもないし……とか何とか自分に言い聞かせて(実は凄く吹いてみたい)、吹かせてもらうことにした。 (自分) ポーポー、プープー、キャッ! ペーペー (外人さん&スタッフの方) ………… (無言) でも、でも、それが、すっごく良い楽器だったのである! 吹きやすくて、音が均一で、スロートの音程なんかバッチリ。「な~るほど、彼らはこんな良い楽器を吹いてるんだ」ということだけは分かった気がした。 その後、この外人さん、いろんなオペラの一節を吹いて聴かせてくれた。もちろん、あのトスカも……(静かに、静かに吹き出すんですねこの曲!)。 氏の音で勉強になったのは、ピアノの吹き始めから息の音が先行して聞こえ、そこに音が乗ってくるような吹き方。楽器を吹いているあいだじゅう、鳴っている音の下層に息の流れ(息漏れの音ではなく)が絶えず聞こえるようなサウンド、とでもいうか。こうした吹き方をする人が最近すごく多いと思う(ポール・メイエを近くで聴いた時は違った)。 とても良い耳の栄養になりました。グラッチェ!
by hornpipe
| 2014-06-08 21:35
| クラリネット
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