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先日の朝日日曜版で、ヴァイオリンの樫本大進がこんな話を披露していた。
ベルリンフィルのコンマスになってからのこと。 ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲で、うっかりとソロの演奏を聴きすぎたあまり、ヴァイオリンの伴奏の出を落としてしまった。すると、ヴァイオリン・セクションの誰一人も弾かなかったという。 「ベルリンフィルってすっげえー、と思いました」 何が「すっげえー」なのか? 単純に考えれば、それだけコンマスの一挙一動をセクションの全員が注視し、瞬時にそれに従ったという凄さ。 でも、もう一つの解釈も成り立つ。 もし樫本以外の全員が弾く中で、樫本が慌てて弾き始めたら、聴衆には彼が落ちたことが一目瞭然。コンマスにそうした恥をかかせるのは、ベルリンフィルにとってもマイナスになる--という判断が働いた?(不文律として慣習になっている可能性もある) こんな話があるそうだ。 エリザベス女王主催の晩さん会でのこと。どこかのゲストが、目の前のフィンガーボウル(指先を洗う器)の水をうっかり飲んでしまった。それを横目で見ていたエリザベス女王、静かに自分もフィンガー・ボールの水を飲んだという。 ※女王の話は、よくある小噺の類だろう。樫本の話も今後、小噺化する可能性大。
by hornpipe
| 2013-01-29 22:29
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