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シュポアのソプラノ、クラリネットとピアノのための「6つのドイツ歌曲」をご存知の方は多いと思う。
では、同じシュポアにバリトン、ヴァイオリンとピアノのためのもう一つの「6つのドイツ歌曲」があるのをご存知の方は? 妻の知人から借りたCDで私はこの曲を初めて知った。 ソプラノに対するクラリネットと同じように、この曲でもヴァイオリンはバリトンに対して徹頭徹尾、オブリガートを主体にした脇役に徹している。ただし、太い男性の声に対して(相対的に)細いヴァイオリンの音が裏方に回ると、何となく奇妙に聞こえることもたしか。 ソプラノとクラリネット版は1837年、バリトンとヴァイオリン版は1856年の作曲。 1856年というのは、なんとシューマンの没年でもある。シューベルトとほぼ同時代の作曲家というイメージがあるだけに意外だ。シュポアはさらに3年も長生きした。 これほど平明で自然に流れ出るような歌を作る人も少ないのではないだろうか。 健康的で晴朗な歌が多く、あまりに晴朗すぎて、ときどき「文部省唱歌」に聞こえなくもない。 ソプラノとクラリネットの方は、以前、発表会でチャレンジしたことがあった。 幾つかの音の跳躍を別とすれば、テクニック的にそれほど難しくはないというものの、第6曲では息継ぎできる箇所がないところがあって、ブレスの取り方に苦労した。 それでも、裏方で音をまわす気持ち良さは格別で、チャンスがあれば何度でも挑戦したい曲である。クラリネットの19世紀は、こうしたオブリガート音楽全盛の時代でもあり、歌とのこうしたレパートリーはもっと見直されてよいと思う。
by hornpipe
| 2010-07-13 22:52
| クラリネット
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