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12月6日のファミリーコンサート本番に向けて、オケの練習も追い込みに入った。
その中の1曲、ヨハン・シュトラウスの「ウィーンの森の物語」のリハーサルでのこと。弦楽器が冒頭部のフレーズを弾かされているときに、「あ、ひょっとして?」と閃くものがあった。 この曲、最初はホルンの五度(オクターブかな? スコアが無くて失礼)に乗ったオーボエの五度の跳躍で、シグナル的に始まる。すぐにクラリネットがソロ(かなり変則的な拍子)を奏で、続いて弦楽器が五度の重音(開放弦を多用)で2分音符+4分音符のリズムを4小節弾く。「ひょっとして」と思ったのは、この部分だ。 「ひょっとして、これは弦楽器の調弦を模しているのでは?」と思ったのである。 そう思ったら、いろいろな疑問が一気に解る感じがした。 まず冒頭のホルンとオーボエのシグナルもチューニングの音とも取れるし、何かしら予備的な合図じゃないだろうか? ホルン&オーボエの「チューニング」→クラリネットのソロ→弦楽器の「調弦」と来て、ここまでは五度の和音だけ。次からやっとこの曲の主調が登場し、舞踏会がスタートする。 そんな話を隣のTさんにしてみると、「冒頭は朝の風景だと思っていた」と言う。朝か……、うん、たしかに説得力がある。ウィーンの「森」の物語だしなぁ、情景描写かも知れないなぁ。するとクラリネットのソロは鳥の声? Tさんも「そう思う」とのこと。 しばしTさんの説に傾きかけたが、そこでまたまた閃いた。 「いや、このクラリネットのソロは舞踏会を開始するアナウンス、触れ回りじゃないのか? さあさあ皆さん、これから舞踏会が始まりますよ、という」 という私の説には、根拠がはなはだ乏しい。しかし、頭で何度も歌っていると、自分のこの解釈はいよいよ正しいのでは、という確信が満ちてくる。 ウィキペディアなどネットで調べると、やはり情景描写説ばかりである。唯一つ英語版の解説文に、「この曲はウィーンの森を音楽にしたというより、市民に身近な森で繰り広げられる野外音楽を表しているのでは?」というものがあった。これはとても説得力があり、参考になる。 と言うのも、この曲はチターのソロが出てくるので有名だが、チターという楽器を登場させた意味が、この説だとよく分かるからだ。 もう一つの名曲、「青きドナウ」のイントロ部は間違いなく情景描写だ。弦のトレモロがドナウの川面のさざ波か、そこに漂う朝霧を描写し、その向こうからホルンが森の夜明けを告げる……。しかし、「ウィーンの森の物語」はこれとはかなり違う始まり方である。 案外ウィーン子なら、このクラリネット・ソロの節が何なのかみんなが知っていたりして?(ご存知の方がいたら是非教えてください) と、ここまで書いてきて、もう一つ閃いたものがある。 序奏部、チターのソロが始まる直前にフルートのアルペッジョのソロがある。これこそ鳥の声、ナイチンゲールかも、と思っていたけれど、このアルペッジョのパターン(特にトリル)からすると、これはコロラトゥーラ・ソプラノを模しているのではないだろうか? 追伸:一晩おいて考えたら、冒頭のこの五度とクラリネットのソロは、「ひょっとしてハーディーガーディーじゃないだろうか?」とも思えてきた。YouTubeでハーディーガーディーを聴いてみると、音の始まり方はそっくり。ただしこのソロのメロディはハーディーガーディーらしくはない。もちろんバグパイプを模したものという可能性もある。
by hornpipe
| 2009-11-22 21:11
| 音楽一般
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