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丸山真男と加藤周一が対談した『翻訳と日本の近代』(岩波新書)の中に、こんな一節があった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 丸山 (日本語には)複数と単数の区別がない、ということで思い出したのは民権のことです。「自由民権運動」は日本ではふつうの言葉だけれども、西洋人は訳すのに苦労する。……つまり、peoples' rightというのは(西洋には)ないんだね。rightはあくまで個人の権利(人権)で、民権という意味にはならない。…… 加藤 人権というのは(日本には)定着しないのでしょうね。 ……… 加藤 ヨーロッパ政治思想においては、人権があるのだからだれでも自由で平等である、とつながっているのだけれど、日本では切れたんだね。人権のほうが自由につながって、民権のほうは平等につながったと。いわば自由から切り離された平等と、人権から切り離された民権ができたわけですね。しかし一種の平等主義は前からあった。 丸山 一君万民というね。主君だけは別だけれど、あとは万民平等なんだ、……天皇さえ除けば平等思想は非常にあった。 加藤 現在の憲法で人権と平等を強調していても、定着の度合いの強いのは平等で、伝統からいってもそうなんですね。……翼賛会運動の民主主義的な装いといえば、ナチはまさにそうです。個人的自由はゼロに等しい。自由主義と民主主義のコンフリクトを劇的に示した。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 「自由主義と民主主義ってどう違うの?」と誰かに聞かれたとき、この二人の言葉を思い出したい。民主党の為政者に読ませたい言葉でもある(同党には、この面でちょっと危うさを感じる)。
by hornpipe
| 2009-11-12 22:14
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