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Kフィル・ファミリーコンサートのメイン曲、リムスキー=コルサコフのスペイン奇想曲は、冒頭からクラリネットが賑やかなソロで大活躍する。
ド~レドレドレ、ド~レドレドレという、吹いていてちょっと恥ずかしくなるような、あっけらかんとしたメロディ。一体この音楽はナンナンダ!? 楽譜には、第1曲「アルボラーダ(Alborada)」とあり、大抵の解説にはスペインのアストゥリア地方の舞曲で、「朝の歌」と訳してある。朝? このどこが朝? ちょっと調べたら、ある解説には「朝帰りの歌」だと書いてあった。ということは、女のもとから鼻歌を歌いながら帰ってくるような歌? ウン、少し近づいた感じがする。 オックスフォード音楽辞典によると、夜のセレナーデに対して、朝のアルボラーダなんだと。つまりベッドにいる女に、夜はセレナーデで歌いかけ、朝はアルボラーダで呼びかける……。しかもスペインのその地方では、バグパイプと太鼓で賑やかに演奏されるものらしい。そういわれてみると、メロディの底にドローン(Aの音)が鳴っているような気もしてきた。 もう少し調べると、アルボラーダという舞曲はほかの作曲家も作品にしていた。一番有名なのが、ラヴェルの「道化師の朝の歌」。原題は、Alborada del gracioso。なるほど、この曲、なぜ「道化師」が「朝」なんだと思っていたら、道化師の朝帰りの歌だったんだ。 しかしスペイン奇想曲と音楽的に共通するものはあまり多くない。 拍子もリズムも違うし、バグパイプ的な要素も感じない。 唯一、似ていると言えば、ギターの奏法を模しているらしいところ。スペイン奇想曲では弦楽器のアルペッジョにそれを感じるし、道化師の朝の歌でも「ジャン」とアルペッジョを掻き鳴らす音や同音のトレモロ(管弦楽版ではフルートのトリプルタンギング)にギター的奏法が感じられる。 ギター曲には「Alborada」の名前がついた作品が多くあるようだ。代表的なのものはタレガやアルベニスだが、聴いてみると、両者まるで別の音楽。ラヴェルやリムスキーとの共通点もほとんどない。 普通、舞曲と言えば、拍子、テンポ、リズムの順に決まったパターンがあるもの。とすると、Alboradaというのは舞曲の定義からはどうしても外れてしまう。一体ナンナンダ、この音楽は?
by hornpipe
| 2009-10-11 22:50
| 音楽一般
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